Tuesday, October 21, 2014

屋根の上でジャンプ

愛理が目を覚ますと、外はもう明るくなっていました。カーテンを通して太陽が暑くなっているのがわかります。こんなお天気のいい日は、それだけでうれしくなります。

朝ご飯の時、アッパが「今日は何をしようか。」と言いました。愛理は「屋根の上で飛び跳ねよう!」と提案しました。食器を片付けて、愛理とアッパは倉庫から長いはしごを出してきて壁に立てました。そして、まずはアッパが登りました。次に、愛理、真綾、お母さんの順番で上に上がりました。
上から外を眺めると、近くの公園の森や遠くの川や空を飛ぶ飛行機が見えました。みんなで屋根に寝転んで、しばらく空を眺めていました。水色の空にはたくさんの雲が浮かんでいました。愛理はイチゴソフトクリームの雲を見つけました。お母さんはキリンの雲を見つけました。真綾は魚の雲を見つけました。そして、アッパはグラノラの雲を見つけました。雲は風が吹くと形を変えたり、方向を変えたりして、どんどん遠くへ行ってしまいました。なんだか楽しくなってきて、愛理はすっと立って屋根の上で飛び跳ねました。「ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ!」アッパもお母さんも真綾も飛び跳ねて、誰が1番高く飛べるか競争しました。愛理は負けないように頑張って高く高く飛びました。すると、屋根に大きな穴が開いて、みんなドシーンと下の寝室に落ちてしまいました。布団の上に寝そべって穴から空を見上げると、丸く開いた穴から雲や鳥や飛行機が見えました。このままでも楽しいけれど、雨が降ると大変なので、アッパと愛理はもう1度はしごを昇って屋根を修理しました。これで、もう安心。

夕方、空は茜色に輝いて、赤とんぼも飛んでいました。愛理はこの橙色の空をあの丸い穴から見たかったな、もったいないことしたな、と、ちょっと残念に思いました。その夜、みんなは今日見た空の話をしながら、いい気持ちでぐっすり寝ました。

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